知的財産権のことを知らないためのリスク

模倣とオリジナル

 

こんにちは。アイネクスト特許事務所の代表の弁理士・工学博士の津田です。→プロフィールはこちらから

今回は、知的財産権のことを知らないためのリスクについてお話しさせていただきます。

何事においても知らないことはリスクだと思っています。
知的財産権も同様で、わかっていないと、いろいろなことが起きます。それもある日突然といった感じにです。

 

自社のブランド名が使えなくなる!?

 

知的財産のことがわかっていても、他のことで忙しいために対応を後回しにしがちなものです。

しかし、知的財産の問題を放置していると、例えばある日突然、知らない会社からこのようなメールが来ます。

 

「御社の技術は弊社の特許権を侵害しています」

「御社のホームページで販売している商品は、弊社の商標権を侵害しています。即刻、ホームページでの商標の使用を停止して下さい」

 

こんな感じです。

決して友好的な文章ではありません。
最近では、SNSのメッセンジャーを使って警告が送られてくることもあります。

 

このようなメールが来ても何が起こったのかまったくわからないため、ほとんどは顧問の税理士に聞いて、その相談すべき相手が「弁理士」であることを知ります。

そして、弁理士から危機的状況になっていることを説明されます。
自分が他人の知的財産権を完全に侵害しており、それを回避することも難しく、事業の撤退等をしなければならない、というぐらい深刻な内容です。

会社がある程度大きくなり、目立つようになってきたことで、警告されることが多くなります。

 

これまで実際に私が経験した例を含めて、以下のような例があります。

・人気を得ている美容院の店名を変えなければならなくなった

・売れているケーキの名称(商品名)を変えなければならなかった

・マスコミに取り上げられているアパレルブランドの名称を変えなければならなくなった

・気に入った名称のセミナーや研修名を変えなければならなくなった

・アクセス数がそれなりにあるサイト名を変えなければならなかった

・商品を回収して廃棄しなければならなくなった

 

このような事例は、あまり知られてはいませんが、実は案外よくあることです。

 

知的財産の問題を後回しにしておくと、知らず知らずに自分の事業が他人の知的財産権を侵害し、その後が大変なことになってしまいます。

 

ニュースに出るのは氷山の一角

 

知的財産権の訴訟件数で検討してみましょう。

平成25年の知的財産権の侵害訴訟件数(地方裁判所での訴訟件数)の公表データでは、特許権関連の侵害訴訟が164件、商標権関連の侵害訴訟が81件ありました。

案外少ないから自分は大丈夫だろうと思われるかもしれませんが、侵害訴訟にまでなるのは氷山の一角。
実は弁護士が入り、和解などで侵害訴訟に至らずに解決していることが多いのです。

 

知的財産権を知らないことによる恐ろしさを強調してお伝えしてしまいましたが、これはみなさんを脅したいからではありません。

経営者のみなさんに、早く知的財産権の大切さに興味をもってもらいたいからです。

 

ビジネスにおいて知的財産権を後回しにしておくことは、会社存続に関わるリスクに繋がるのです。

 

中小企業やベンチャー企業でも知的財産権紛争は起こりうる

 

昔は、知的財産権にかかる紛争は大企業だけのものだったかもしれませんが、今では事情が全く違っています。次のような社会情勢の変化が大きいと思っています。

 

・インターネットの普及
誰でもいろいろな情報を、日本に限らず世界中から収集できる

 

・国際化
外国人が日本の知的財産権を取得するし、日本人が外国で知的財産権を取得することもある

 

・起業数の増加
情報化社会と起業のインフラが整備されており、起業する人が多くなってきている

 

・多様なSNSの存在
いろいろな方面から情報を収集しやすくなっている

 

知的財産権侵害が顕在化しやすい現代社会

 

今ではインターネットによって様々な情報を取得しやすくなっており、いろいろな人がビジネスを簡単に起こせるようになっています。

さらには、昔であれば、例えば他社が商標権をもっている商標を知らないで使っていたとしても、その他社に知られる可能性は低かったかもしれません。
しかし今では、インターネットを介して容易に知られてしまいます。

 

そのため、次のような例があります。

・自社サイトで製品を紹介したら、特許権を侵害していると言われた

・プレスリリースで製品が紹介されたら、特許権を侵害していると言われた

・ブログやインスタグラムで商品を紹介したら、意匠権を侵害していると言われた

・友人のブログが自社のサービスを紹介してくれたら、そのブログを見て、商標権を侵害していると言われた

 

このようにインターネット上の様々な媒体を経由して、「侵害している」と言われるケースが増えてきています。

 

なお、見つからなければ他人の知的財産権を勝手に使って良いということではなく、勝手に使っている段階で既に知的財産権を侵害しています。

ですから、知的財産権侵害が顕在化しやすい現代では、自社ビジネスを守るために知的財産権の取得及び保護がとても大切になってきます。

 

売れているときこそ黄色信号

 

みなさんが、これまでにないまったく新しいアイデアの商品を持っている側の立場で考えてみましょう。

もし、みなさんが知的財産権でその商品を守っていないとすれば、黄色信号です。
売れているときは特にです。

売れているのだから絶好調だと言いたいところかもしれませんが、逆にそれを真似しようという人たちにとってはいいカモです。
売れている商品を真似すれば、何ら苦労することなく金になるからです。

 

真似する人たちの考え方は次のような感じです。

・アイデアを真似るだけで、開発費をかけずに性能が良い商品を提供できる

・デザインを真似るだけで、デザイン費用をかけずに商品を買ってもらえるようになる

・有名になっている名前を真似るだけで、広告費用をかけることなく商品を買ってもらえるようになる

・他の人も真似ているから、自分が真似ても問題はない

 

勝手な話ですが、真似されて悔やんでも後の祭りです。
他人のせいにしても、もう仕方がないのです。

ですから、知的財産権でビジネスをがっちり守り、自己防衛することが非常に大切なのです。
しかも、真似する側の方が知的財産権に詳しかったりするので、これも厄介です。

 

まとめ

 

以上のように、知的財産権のことを知らないためのリスクは様々です。

その他にもたくさんあります。
わからないことがあったら、まずは専門家に聞くことが一番です。

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